音大出身者ってぶっちゃけ…
以前、こんなTweetをしたら深夜のわりにエンゲージメントが高く意外に関心があるのだと思いました。
@ibisfesyaru 例えば、日本でもトップの芸大でも学部卒だとこの表を見る限りでは100人中1人しかプロオケに入団していないし、院卒に関してはもう「」だよね。そりゃあぶれた人がタレントになるのはわかるよ。https://t.co/PVG8UTXMvi
— あいびす殿下 (@ibisfesyaru) February 12, 2016
実際どれくらいの人がプロになってるの???
実際、音大を卒業した人は実際どれくらいの人がプロとしてやっていけているのかついて今回はネットで調べてみました。その際、トップの大学の就職状況を見れば、他の音大の状況もある程度分かるので、日本でトップレベルの音大を想定して調べています。
日本でトップレベルの音大は、主観で言わせてもらえば、東京藝術大学音楽学部と桐朋音大だと思うのでこの大学出身者、特に器楽科の卒業生がどれくらいプロの演奏家になっているのかに焦点を当てます。(ちなみにここ以外の音大(武蔵野音大、国立音大、洗足、東京音大、京都芸大等)もプロの演奏団体*1への就職状況、ソリストとしての活動状況は似たようなものでした。)
1.1 藝大出身者のプロとしての活動状況について
平成23年度から平成27年度の器楽専攻の卒業生の進路をグラフにしてみました*2。
まず上のグラフでは、学士卒からプロオケ、修士卒からプロオケに入団する、というのが卒業者数に比べてどの年次も非常に少ない(卒業生の1~2%ほど)ということが分かります。加えて、音楽であれば欧米への留学も重要であると考えられるので、卒業後に留学する人数もグラフにしてあります。
このグラフを見ると、留学者数は学士卒業者数の5%、修士卒業者の10%未満といったところです。ふつうの大学では一般的な語学留学とは性質がかなり異なるため、留学期間や留学者数を一般的な大学と比較するのは難しいです。
クラシック音楽の本場は欧米であるので、プロとしてやっていきたいというのであればもっと留学者数が多いはずではと思いました。おそらく経済的な理由や挫折などがあるのかもしれません。
また学士卒だろうが修士卒だろうがプロオケへ入団者数は大して変わらないことも注目するべき点かと思います。これは、プロオケのオーディションの年間回数が極めて少なくプロオケの数も限られていることに起因していると考えられます。また、オーディションがあるときは全国からトップレベルの演奏家(海外の国際コンクールで入賞したとか)が参加するため、非常に競争が激しいというのも入団者数が少ない理由のうちの一つです。
ちなみに、プロオケではなくアマチュアのオケの日本BGMフィルに所属しているという方もいらっしゃいました。(現在日本BGMフィルは解散しており、新日本BGMフィルが設立されている。)*3*4
1.2 桐朋音大のプロとしての活動状況について
桐朋音大について調べましたが、2015年3月の卒業生の進路のみしか判明しませんでした。プロオケに入団した方は0人、学部卒留学者は19人、院進は8人でした。およそ半数が学部で企業や教育職等、プロとは関係のないところに就職しています*5。
なんだか最後は拍子抜けしてしまいました。あんまりデータが見当たらなかったので…。このBlogを見てくださった方で内情をよく知る人がいればご教授願います…。
1.3 まとめ。
・プロオケに入るには芸大でも上位1%~2%に入ることが必要。
・留学者が卒業者の人数に比べて少ない。
・ほとんどの人は(自分の専攻していた楽器を使う)音楽とは関連の薄い職業に就く。
くらいですかね。最後は非常に雑になってしまいましたが…(;´・ω・)
1.4 雑感
わたしも某オケに所属していたので、トレーナーであるプロオケの先生の履歴を見たりするのですが、みなさん藝大か桐朋音大出身、あるいは高校卒業後にヨーロッパに留学しており、実績もある方ばかりでした。なので本当に厳しい状況を勝ち抜いてきたのだなと思いました。